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デビットカードとクレジットカードの消費者保護①

同じビザのマークがついているだけですから、手にしてビザのデビットカードとクレジットカードの違いがわかる人は、こういった問題にかなり知識を持った人です。加盟店で判別される必要性はまったくありません。加盟店では、端末を通したときにオーソリゼーションが取れれば何も問題はないからです。利用者は、毎月分をまとめて決済する選択肢と、その都度決済する選択肢のどちらを選んだかはわかっているので、どちらを選ぶかは利用者の責任です。

しかしカード情報が流出すると、複雑な問題が起こります。クレジットカードは、二〇〇八年改正の割賦販売法でその情報保護が新設規定として盛り込まれましたが、そこで規定しているのは割賦販売法第2条の定義にはない一括払いのクレジットカードまでです。第35条の36がその規定ですが、第2項に「二月払購入あっせん」という聞いたことのない取引が書かれています。割賦販売法は、すでに書いたとおり定義に該当する取引だけを規制する仕組みになっています。それは特別法としては当然の作り方で、規制が必要以上に広がらないための対応です。

クレジットカードの一括払いは、利用日によっては割賦販売法の定義に該当することもありますが、たいていの一括払いは法律の適用外です。そこで第35条の36という規定の中で、「二月払購入あっせん」を定義づけすることによって、一括払いのカードであってもカード情報の保護の対象にしようとしました。この定義に書いてあるのは「商品を購入する契約を締結したときから二月を超えない範囲内においてあらかじめ定められた時期までに受領することをいう」だけで、デビットカードも対象になりそうにも読めます。

ただし、この条文の表題は「クレジットカード番号等の適切な管理」ですから、デビットカードはやはり想定していないようです。もしデビットカードの情報が流出した場合は、この規定は及ばないのです。デビットカードでネット通販を利用できる場面はそれほど多くないし、暗証番号での利用に限定され利用の都度メールを送るなど防御にも工夫がこらされているので、仮にカード番号が流出したとしても、クレジットカードのように簡単に利用できるわけではありません。